虐待と子どもへの深刻な影響
子どもへの心理的な虐待、および身体的な虐待は子どもの成長とともに、大きな心理的な影響を及ぼすことになります。また、子ども時代に受けた虐待によってPTSDが深刻化すると、そのケアに長期間が必要となることも珍しくありません。また、虐待の影響は子どもの心に対して甚大な影響を及ぼし、またそのケースによって多岐にわたるため、子どもの状況に合わせた対応が必要になってきます。
また、子どもの虐待のPTSDと大人が受ける典型的なPTSDにも大きな違いがあります。大人が受けるPTSDは、事故や犯罪といった突然の悲劇を記憶したものですが、子どもの虐待によって引き起こされるPTSDは長期間にわたって継続されるものであり、その影響は発達の全般に及ぶことが考えられます。これらは同一視されるべきではなく、まったく違った影響を及ぼしていると分類しておくことが必要となります。
虐待を受けた子どもが成長した場合には、親となったときに、子どもに深刻な虐待を加えるケースがあります。これは、健全に育った子どもに比べて圧倒的に加害者となる確率が多いことでも、その影響がいかに深刻であるかを表しています。統計的なデータによると、子ども時代に深刻なPTSDを受けた被害者が成長して親となった場合、加害者となる確率は約4割にも上るという報告があります。
子どもへの虐待は、何世代にもわたる子どもとの関わりの歴史という解釈をすることも出来ます。また、虐待を受けた子どもは成長して社会の中で虐待の再被害者となる、逆に自らが加害者となるなど、虐待の連鎖傾向の一つに取り込まれてしまう危険があります。暴力と虐待、それによって引き起こされるPTSDには密接な関わりがあり、特に子ども時代に受けた心の傷は深刻化する傾向があるので、暴力の連鎖を断ち切ることが必要であるといえます。
