家庭内暴力とPTSD
日本でも、近年注目されるような問題として、家庭内暴力により引き起こされるPTSDがあります。この行為は長く、患者本人を苦しめるばかりではなく、患者本人の健康な生活や精神を脅かす危険があります。特に、家庭内暴力には、子ども、配偶者など、弱者に向かう暴力が顕著であり、その暴力にさらされる期間が長期化することが考えられます。
そのような状況に長期間さらされた患者は、その状況が「当たり前」の状況のように考えられてしまい、精神的にも大きな負担となり、今後の健全な精神の発育にも極めて悪影響を及ぼすと予想されます。さらに悪いことに、これらの暴力は社会の目に触れることなく、被害者の声が外部に届かないまま、長期間放置されるという問題があります。これらのPTSDの問題がメディアなどで顕著に取り上げられるようになったのは最近のことであり、近年では日本でも公的機関でも積極的に支援に乗り出しています。
日本では、近年になるまで家庭内暴力などPTSDが社会で表面化することなく、多くの部分で隠されてきました。特に、DV(ドメスティックバイオレンス)などは被害者も被害にあった事実を隠す傾向にあり、表層化しにくい問題でした。このほか、児童虐待なども近年になってマスメディアなどで大きく報道されるようになりました。また、思春期に達するまでの長期間にわたる虐待の例などもあり、これらの被害者の心の傷や負担のケアは関係機関などの大きな課題となっています。
これらの最大の問題は、被害者、とくに子どもの場合には乳幼児期や学童期の子どもに虐待が加えられた場合、PTSDによって、精神の健全育成に深刻な影響を及ぼすことになります。またこの時期に、精神的、肉体的な虐待を加えられた子どもには、健康な成長のために必要なきめ細やかな世話の欠如や虐待的な環境によって、子どもの思想や行動に大きな影響を残すことになります。
